‌ ‌ ‌ ‌

任意売却後も払えなかった残債はどうなる?3つの選択肢を解説

  • 2020.11.22
  • 2020.11.22
  • 売る

任意売却とは、住宅ローンの返済ができなくなった債務者が、債権者の承諾を得て自宅を売却することです。
自宅の売却代金でローンを返済しますが、完済できなかった場合はローン残債が残ります。

今回は任意売却後の残債の取り扱いと、残債を支払えない場合の3つの選択肢について解説します。

遠鉄の不動産・浜松ブロック長 江間 和彦(えま かずひこ)


宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士

任意売却後、払えなかった住宅ローン残債はどうなる?

任意売却後に払えなかった住宅ローンの残債は、どのように扱われるのでしょうか。

住宅ローン残債の支払い義務は残る

任意売却を行うためは、住宅ローンの融資を行っている金融機関など債権者の承諾が必要です。
ただしこの承諾は「返済を免除すること」についての承諾ではなく「担保となっている不動産を売却すること」についての承諾です。

住宅ローンの返済額が売却代金を上回るオーバーローンになっている場合、任意売却後のローン残債も返済する義務があります。

交渉次第では分割返済も可能

金融機関と締結する住宅ローンの金銭消費貸借契約には「返済が滞った場合、債務者は期限の利益を喪失し、一括返済をしなければならない」という条項が定められているのが一般的です。

期限の利益とは「借入金の分割返済認めること」です。
任意売却時には期限の利益を喪失した状態であり、残債も含めて一括返済が原則となります。

しかし実際は、債権者との交渉次第で分割返済も可能です。
債務者が任意売却を行ったのは、経済状況が苦しく住宅ローンの返済ができなくなったためです。
そのような状況で一括返済を求めても、回収が困難であることを債権者も理解しています。

任意売却後の残債の返済については、債権者との交渉次第となりますが、債務者の資産や収入などの経済事情を考慮して、分割返済を前提とする返済計画が組まれるケースが多いのです。

債権回収会社(サービサー)に債権譲渡されることも

債権回収会社とは、金融機関などから債権回収業務の委託を受けたり、債権者から債権を買い取ったりして債権回収を行なう会社のことです。
サービサーとも呼ばれます。

金融機関は任意売却後の住宅ローンの債権を、サービサーに売却(債権譲渡)することがあります。
債権がサービサーに譲渡された場合、債務者は金融機関ではなくサービサーにローンの返済を行います。

連帯保証人にも支払い義務が残る

住宅ローンの借入に連帯保証人を立てている場合、任意売却後の残債についても連帯保証人は支払いの義務を負うことになります。

原則として連帯保証人は返済について債務者と同等の責任を負います。
そのため債務者が返済できない場合には、連帯保証人が債務者に代わって返済を行う必要が生じます。

ただし債務者の残債支払いを前提に、連帯保証人へ返済要請の猶予が認められるケースもあります。

残債の支払いが滞ると差し押さえの可能性も

経済事情によっては任意売却後の生活も、決して楽ではない場合もあります。
しかし残債の支払いを拒否したり、返済が滞ったりしてしまうと、資産や給与などを差し押さえられる可能性があります。

資産や給与が差し押さえられてしまうと、ますます生活の立て直しが難しくなします。
無理のない返済計画の交渉こそが、任意売却後の生活にとって重要といえるでしょう。

任意売却後の残債は減額される?

原則として任意売却後の残債は減額されません。

債権者としては、できる限り債権を回収する必要があります。
そのため少額でも、確実に返済を続けてもらうことを重視します。

ただしサービサーに債権が譲渡された場合は、減額の可能性もあります。
サービサーは債権の回収が困難なことを前提に、金融機関から割り引いた金額で債権を購入しているためです。

しかし「返済がなくなる」「大幅に減額される」といった可能性は低いでしょう。

任意売却後、残債が支払えない場合の3つの選択肢

任意売却後も残債の返済義務は残ります、どうしても支払えない場合には、次の3つの選択肢を検討しましょう。

  • まずは債権者と交渉
  • 個人再生
  • 自己破産

まずは債権者と交渉

債権者は債務者が経済的に困窮した結果、任意売却を選択したことを理解しています。
そこで分割返済など債務者にとって無理のない返済計画を認める場合もあります。

債権者と債務者の交渉によって、返済方法や条件を決めることを「任意整理」と呼びますが、その決定には債権者の合意が必要です。

返済方法や条件は、任意売却後の生活にも大きな影響を与えます。
任意売却を相談した不動産会社と事前に相談して、交渉を有利に進める方法を検討しましょう。

交渉をスムーズに進めるためにも、任意売却の豊富な経験と知識を持つ不動産会社に相談することが大切です。

個人再生

個人再生とは、裁判所に残債の返済が困難であることを申し立て、再生計画の認可決定を受けることです。

残債を最大で10分の1まで減額でき、再生計画に沿って3~5年かけて返済を行います。
ただし債務額や資産額によっても減額幅は変わり、減額後の債務が100万円以下になることはありません。

個人再生をするためには「安定的な収入がある」など、裁判所が認める再生条件を備えている必要があります。

任意整理と異なり、残債を大幅に圧縮できることが個人再生のメリットです。

しかし個人再生の手続きは複雑で時間がかかります。
手続き自体にも費用が発生するため、経済的に苦しい債務者には費用の捻出が難しい場合もあるでしょう。
さらに減額となった債務の返済義務は、連帯保証人が追うなどデメリットも少なくありません。

自己破産

裁判所に破産の申し立てを行い免責許可を受けることで、ほとんどの債務の返済が免除となる手続きを「自己破産」といいます。

債務者の収入や資産、債務額などから、債務の支払いが不可能であると判断された場合は、自己破産が認められます。

自己破産のメリットは、どれだけ高額の残債があっても返済が免除となる点です(ただし滞納している税金や公共の水道代など、支払い義務が残るのものあります)。

しかし生活必需品を除く全ての資産の処分、破産手続き中の転居や就業に制限が課せられるなどのデメリットもあります。

自己破産について詳しく知りたい方は、こちら記事をご覧ください。

関連記事

収入の減少などで住宅ローンの負担が重くなり、月々の返済が滞ったり借金を重ねたりしてしまうと、最終的に自己破産をしなければならないと思うかもしれません。 しかし住宅ローンの負担から解放されるための方法は、自己破産だけではありませ[…]

任意売却後の生活をスムーズに立て直すためには

任意売却後の生活をスムーズに立て直すためには、残債の返済条件を無理のないものにしなければいけません。

返済条件の決定には債権者の合意が必要であり、債権者との交渉が重要になります。
ただし債務者の収入や資産状況によっては、個人再生や自己破産を選択するほうがよいケースもあります。

返済条件の交渉を有利に進めるため、残債が支払えない場合の3つの選択について有益な助言を受けるためにも、債務処理の知識も有する不動産会社で任意売却を進めることが大切です。

まとめ

住宅ローンの残債の取り扱いは、任意売却後の生活に大きな影響を与えます。
年収の有無、所有する資産、残債の額などさまざまな状況を総合的に検討して、任意整理、個人再生、自己破産のいずれか最も適したものを選択しなければなりません。

適切なアドバイスが期待できる任意売却に詳しい不動産会社をパートナーに選びましょう。

▼遠鉄の任意売却サービス 詳しくはこちら▼

売りたい人も買いたい人も
▼遠鉄の不動産へお問合せください▼