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任意売却ができないケースを解説!それぞれの解決法と任意売却成功のポイントとは?

住宅ローンの返済が苦しくなり、滞納が続いてしまった場合は「任意売却」で自宅を手放すことができます。
しかし状況によっては、任意売却ができないケースもあります。

生活を立て直すためにも、どのような場合に任意売却ができないのかを事前に確認して、スムーズに自宅を売却する準備をしましょう。

遠鉄の不動産・中遠ブロック長 山本 圭吾(やまもと けいご)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、相続支援コンサルタント、相続診断士、アシスタント・カラーコーディネーター、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

任意売却ができない5つのケース

任意売却は住宅ローンの滞納が続いている場合に、金融機関の合意を得て物件を売却する方法です。
そのためいくつかの条件がそろっていなければ、任意売却ができないケースもあります。

具体的に見ていきましょう。

ケース①住宅ローンの滞納がない

住宅ローンの支払いが苦しくても、滞納がない状況では任意売却はできません。

ローンの滞納が3~6か月程度続くと、債務者は「期限の利益」を喪失します。
住宅ローンにおける期限の利益とはローンを分割で返済する権利のことであり、期限の利益を喪失すると残債の一括返済を求められます。

一括返済ができない場合、金融機関は裁判所を通じて物件を差し押さえ、強制的に売却を進める「競売」の続きを始めるのです。
この段階になれば債務者は、任意売却の手続きを進められます。

ケース②債権者の同意が得られない

任意売却では債権者である金融機関に、住宅ローンの残債がある状態で物件にかけられた「抵当権」を外してもらうことが条件になります。

抵当権とは債権者が融資をする際、担保を確保する権利のことで、住宅ローンでは物件が担保です。
そのため物件の査定金額がローン残債を大幅に下回る場合などは、任意売却を認めない金融機関もあります。

債権者の同意を得て任意売却をスムーズに進めるためには、任意売却の知識と実績が豊富な不動産会社とともに交渉に臨むのがいいでしょう。

ケース③共同名義人・連帯保証人の同意が得られない

自宅を売却する場合、物件の共同名義人の同意がないと売却はできません。
任意売却においても、この点は同じです。

また住宅ローンの連帯保証人の同意がないケースも、任意売却は進められません。

マイホームの場合、配偶者が共同名義人や連帯保証人になっていることが多いでしょう。
離婚を機に任意売却を進めるという人の中には、配偶者と連絡が取りにくくなる方もいます。

任意売却を視野に入れている人は、名義人や連帯保証人と連絡が取れる状態にしておきましょう。

ケース④競売の開札日間近である

任意売却は、裁判所による競売の手続きと同時進行で進めます。

売却活動中に競売の開札日を迎え、買受人が決定してしまうと、自宅は強制的に売却されます。
そのため開札日までに任意売却による買主を見つけ、売買を成立させなければいけません。
競売の開札日が迫っている状況では、任意売却が成功しないケースも多くあります。

競売の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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売却までのタイムリミットがある任意売却では、早めの相談が成功のカギです。
住宅ローンの滞納が3~6か月続き、期限の利益を喪失するタイミングから任意売却を進めましょう。

ケース⑤多額の税金を滞納している

住宅ローンの支払いだけではなく、多額の税金も滞納していると、行政処分によって自宅が差し押さえられる場合があります。
自治体や税務署が差し押さえの解除を認めないと、任意売却はできません。

ただし任意売却が成立し、売却代金で滞納分税金を支払える見込みがあれば交渉も可能です。
債務整理の知識と実績が豊富な不動産会社に相談することで、適切な対処法を提案してもらえるでしょう。

任意売却ができないとどうなる?

債権者の同意が得られない、共同名義人・連帯保証人と連絡が取れない、などの事情で任意売却ができない場合、自宅や残ったローンはどうなるのでしょうか?

自宅が競売で強制的に売却される

任意売却を認めてもらえなかったり、競売の開札日までに買主が見つからなかったりした場合は、競売で強制的に自宅が売却されます。
さらに期日までに自宅から立ち退かなければ、強制退去を命じられます。

競売では自宅の売却代金は全て債務の返済に充てられるため、引越し費用などは自分で用意します。

また競売での売却価格は、市場価格の5割程度が相場なので、ローン残債が多く残ることも少なくありません。
競売後もローンの支払い義務はなくならないため、経済的に苦しい状況が続くでしょう。

競売物件の売却価格については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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自己破産を選択する場合もある

競売で自宅を手放しても、多くのローン残債が残っていれば、返済の義務は続きます。
返済の見込みがない場合、競売後に自己破産を選択するケースもあります。

自己破産をすると住宅ローンの返済だけでなく、その他の債務も免除されます。
(※ただし税金や社会保険料、公共料金、損害賠償などは免除されません)

多くの債務がなくなり一見メリットが大きいようにも見えますが、自己破産では車や貴金属などを含めた所有財産のほとんどを手放します。

そのため状況によっては、生活を立て直すのも難しくなるでしょう。

任意売却と自己破産の選択については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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任意売却を成功させるためには

任意売却は、競売よりも高い価格で自宅を売却できる可能性があります。
また売却代金の一部を引越し費用として使用できたり、金融機関との交渉次第では滞納している税金の返済にも充てたりできます。

そのため競売や自己破産よりも、生活の立て直しが早い方法といえるでしょう。
ここからは任意売却を成功させるためのポイントを解説します。

早めに不動産会社・金融機関に相談する

任意売却にはタイムリミットがあります。
せっかく金融機関から合意が得られても、期間内に買主が見つからなければ任意売却は成立しません。

また売却活動は、通常の仲介による売買と同様に行います。
内覧の対応などにしっかりと時間をかけられれば、それだけ希望の価格で売却できる可能性も高くなるでしょう。

任意売却のタイミングとタイムリミットについては、こちらの記事をご覧ください。

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任意売却の知識と実績が豊富な不動産会社に相談する

任意売却は金融機関との交渉から始まりますが、交渉には専門的な知識が必要です。
また任意売却の実績が豊富な不動産会社のほうが、交渉を有利に進められるでしょう。

任意売却では、通常の売買に関する知識に加えて、以下の知識も求められます。

  • 残債務処理の知識
  • 破産法や民事再生法、民事執行法など関連する法律の知識

そのため幅広い専門知識と実績が豊富な不動産会社に相談することが、任意売却を成功させる秘訣なのです。

任意売却の相談先については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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まとめ

住宅ローンの滞納が続いてしまったときは、任意売却によって自宅を売却できます。
しかし債権者や共同名義人・連帯保証人の同意が得られなかったり、競売の開札日までに買主が見つからなかったりした場合は、任意売却ができないので注意しましょう。

任意売却ができないと、競売によって不利な条件で自宅を手放すことになります。
さらに多額の残債を抱え自己破産を選択した場合は、生活の立て直しがさらに困難になるでしょう。

住宅ローンの支払いに悩んでいる方は、早めに任意売却の知識と実績が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。
(執筆者:戸塚ナオ)

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