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新しい年を自分らしく。ハレの日を演出するお正月ディスプレイ

私たちの暮らしの基本、「わが家」で過ごす何気ない日常こそ、大切にしたいですね。
日々の小さな感動や喜びを感じる室礼(しつらい)を大切に、暮らしを楽しむインテリア術を、静岡県浜松市を中心にご活躍されているインテリアコーディネーター 山賀史子さんに教えていただきました。
山賀さん
私たち人間は、無意識のうちに空間から大きな影響を受けています。
毎日目にするインテリアは、私たちの心理や活動に大きく作用します。お気に入りのモノで囲まれたご自身が心地よいと感じる空間には、心身をリラックスさせ、気持ちを高揚させる効果があるんですよ。

新しい年を自分らしく。ハレの日を演出するお正月ディスプレイ

第1回のお話は、お正月ディスプレイですが、「自分らしい」飾り方とは、どういったものでしょうか?

山賀現代の住まいは、生活スタイルに合わせて様式が多様化しています。そのため、伝統的なお正月飾りが現代の住まいには少しミスマッチに感じてしまうこともあります。

市販されている現代的なお飾りも色々なデザインの物が増えてきましたが、今回はシンプルな素材やご家庭にあるものを使ったお正月のディスプレイをご紹介します。

江戸時代から続くお正月飾りのしきたり。現代の住まいでは、どのようなことに気をつけて飾ればいいのでしょうか?

山賀現代の住まいは、鏡餅をお供えする床の間や、角松を立てる門がないお宅が増えているので、お供え場所がわからない方もいらっしゃるかと思います。

大切なのは、お正月飾りや、飾りに使われる素材の意味を良く知っておくことです。

例えば鏡餅は、神様の居場所ですから、神様を見下す形になってしまうような低い場所ではなく、和室の床の間やリビングに飾ります。

またメインの鏡餅とは別に、複数の鏡餅を神様に来ていただきたい場所に置いても良いそうです。

このように、意味さえ理解していれば、形にこだわることなく、現代の住まいに合ったお供えとして、お正月飾りを楽しむことができると思います。

江戸時代から続く 新しい年を迎えるためのお正月飾り

注連縄(しめなわ)飾りや鏡餅、松飾りは、お正月に五穀豊穣をもたらす歳神様(としがみさま)をお迎えするためのしきたりとして、江戸時代に庶民に広まった慣習です。

注連縄(しめなわ)飾り

注連縄には、神様をまつる神聖な場所であることを示す意味があります。お正月の注連縄飾りは、大掃除で不浄なものを取り除き、家の中が清められていることを示していますので、大掃除が済んでから飾ります。

鏡餅飾り

鏡餅は、丸いお餅を三種の神器の鏡に見立てたもので、神様の「依り代」、つまり居場所としてお供えするものです。

松飾り

松飾りは、神様が迷うことなく家にいらっしゃるための目印として門にお供えします。

左から 若松 大王松 稲 セイヨウヒイラギの実
松は「祀る(まつる)」ともいわれ、冬でも葉が落ちないことから長寿を象徴し、神様が宿る木とされています。
成長が早く、まっすぐ伸びる竹は、生命力と繁栄を意味しています。
五穀豊穣の神様をお迎えするために稲をお供えして豊作を願います。
南天
南天は「難を転ずる」→「難天」→「南天」という意味があり、火災除けの縁起木とされています。また、冬の赤い実にも魔除けの意味があるため、千両や万両などを使うことも。

ランチョンマットやトレイを使ったお正月ディスプレイ

ダイニングテーブルに飾る時は、テーブルと相性の良いランチョンマットやトレイを使うと便利です。

ディスプレイを考える時、飾る物を置く場所となるステージを作ってあげることで、テーブルと飾るスペースに境目が出来て空間が引き締まり、飾りやすくなります。

ダイニングテーブルに鏡餅のコーナーを

ディスプレイにトレイを使うと、掃除や移動がとても楽になります。いつものテーブルに赤い実と若松を少しあしらうだけでテーブルが華やぎ、お正月らしさがアップします。

いつもの食卓に、お正月のハレ感を。

キッチンの窓辺にさりげなくあしらうお正月飾り

キッチンは、竈(かまど)や水を扱う場所として、古くから神聖な場所。

五穀豊穣・家内安全を願って稲やお餅をお供えしましょう。

ペーパーナプキンや木製のカッティングボードなど、キッチンアイテムで可愛らしく。上から吊るした大王松の凛とした佇まいが、キッチンに清浄な空気を運んでくれます。キッチンは、竈(かまど)や水を扱う場所として、古くから神聖な場所。

五穀豊穣・家内安全を願って稲やお餅をお供えしましょう。

ペーパーナプキンや木製のカッティングボードなど、キッチンアイテムで可愛らしく。

上から吊るした大王松の凛とした佇まいが、キッチンに清浄な空気を運んでくれます。

「じつはこの紙、コピー用紙なんです(笑)」
神様が宿る松に、豊作を願う稲をそえて
神様が宿る松に、豊作を願う稲をそえて
山賀さん
大王松を紅白の紙で捲いて紙ひもで結んだだけのお正月飾りですが、自分で注連縄飾りを作ることで、感謝の気持ちや新年への願いを込めることができます。

神様をお迎えする玄関は縁起の良いものを

玄関には、神様をお迎えするための松をあしらいましょう。「円満」を表す丸いモチーフを3つ重ねて縁起をかつぎ、ゴールドや赤でハレの気分を演出します。

クリスマスオーナメントのゴールドの球体を、和紙を入れたフラワーディスプレイに入れました。3つ並べることで華やかな印象に。

三角構成はディスプレイの基本陳列手法のひとつ。

小物を陳列する際は、高さのある物を頂点とした三角形に沿って低くなるように配置すると、安定感とまとまったボリューム感が生み出されます。

新年を迎えたことに感謝の気持ちを込めて

「ハレ」とは、「非日常」を表す言葉。

またお正月飾りは、いつもとは違う「特別な日」を家族で感謝し、一年の安寧を願うものです。

ぜひ、ご家庭にある小物を上手にアレンジして飾る楽しさを味わいながら、心のこもったお正月飾りで素敵な新年をお迎えください。

インテリアコーディネーター
山賀史子さん

神奈川県横浜市生まれ。高校在学中にカナダのホームステイ先で、ライフスタイルに合わせた生活空間づくりを楽しむ様子に感銘を受け、短大で生活造形・インテリア学を学ぶ。浜松の設計事務所およびハウスメーカーで勤務したのち、フリーランスのインテリアコーディネーターとして活動を開始し、2015年に「in F」として独立。お客様のイメージを形にし、長く愛着を持って快適に過ごせるインテリアの提案を行っている。

 

文・写真:神尾知里

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